1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10760114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猿渡 敏郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (00215899)
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Keywords | 汽水域 / 魚類生態学 / 涸沼 / 霞ケ浦 / 通し回遊 / 初期生活史 / 仔稚魚 |
Research Abstract |
平成10年10月に本研究課題の採択を通知されて以来、魚類の生活史における汽水域の持つ生態学的意義を解明すべく、閉伊川河口域(岩手県)、霞ヶ浦・北浦・涸沼(茨城県)を調査水域として研究を実施した。各水域における研究実績の概要は以下の通りである。 閉伊川河口域 遡河回遊型ワカサギの生活史を解明すべく、河口周辺海域において小型巻き網とサーフゾーンネットを用いた採集を行った。現在採集物を解析中である。 霞ヶ浦・北浦 近年、本来は両側回遊を行うアユが霞ヶ浦・北浦水系内において生活史を完結し、近年増加傾向にある。このアユの陸封化メカニズムを解明すべく、張り網、トロール網などを利用した採集調査を実施した。現在得られた標本を元に、アユ稚魚の成長履歴などの解析を行っている。 涸沼 涸沼水系内における魚類の生態・生活史に関して過去に収集したデータを元に、魚類目録と仔稚魚出現カレンダーを作成した。また産卵のために涸沼へ遡上するコノシロとサッパの産卵生態予備調査を実施した。現在本調査の準備中である。 以上の結果を踏まえ、平成11年度には魚類の生活史にとって汽水域の持つ意義についてより総合的な調査研究と考察を行う。
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