1998 Fiscal Year Annual Research Report
耐病性魚作出の基礎的研究:特に自然免疫遺伝子の構造と機能解析
Project/Area Number |
10760115
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宮田 雅人 三重大学, 生物資源学部, 助手 (30273353)
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Keywords | マクロファージ / 自然免疫 / 硬骨魚類 / NRAMP |
Research Abstract |
養殖の現場において、特定の親魚に由来する魚群は各種疾病に耐性を持つことが知られている。例えばサケ科魚類は、種や親魚が異なると細菌性疾病やウイルス疾病などに対する耐性に明確な差が見られ、アイソザイム分析によってその原因は非特異的な生体防御機能(自然免疫能)に関与する遺伝子座の変異にあることが示唆されている。自然免疫能は、魚類において最も重要な免疫機構であることから、本研究では自然免疫能に関与しマクロファージの膜表面に特異的に発現する自然免疫調節マクロファージタンパク質(Natural Resistance Associated Macrophage Protein:NRAMP)遺伝子の構造と機能を解析する。 申請者はこれまで、ホ乳類4種と鳥類1種のNRAMPcDNAを比較してプライマーを作製し、養殖産業上最も重要な魚種の一つであるマダイの脾臓に由来するPCR産物を得た。さらに、マダイ脾臓からcDNAライブラリーを構築し、NRAMP様物質をコードするcDNAをクローン化した。得られたクローンは約2kbのオープンリーディングフレームを持ち、ここに60キロダルトン強のタンパク質がコードされると考えられた。さらに、マダイ各臓器におけるNRAMP遺伝子の発現量を検討するため、得られたクローンをプローブにノーザンブロットハイブリダイゼーションを行ったところ、脾臓および脳に顕著な発現が認められることが明らかになった。
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