1998 Fiscal Year Annual Research Report
農業法人経営における労働評価・報酬決定システムに関する研究
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10760131
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
和田 大輔 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (10241423)
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Keywords | 農業法人経営 / 労働評価 / ABM |
Research Abstract |
農業法人経営においては家計と分離した形での経営の現状を把握することは重要である。経営の現状の中でも労働力はその中でも特に客観評価が難しいものであり、かつ正当な評価が構成員から期待されている。本研究の目的は農業法人経営を対象に既存経営における労働坪価・報酬決定システムの実態を明らかにすること、および良好な労働活動の誘因となるような労働坪価・報酬決定システムの設計を試みることにある。 本年度は農業における労働報酬決定システムの実態調査と他産業における労働評価・報酬決定システムに関する資料の収集とを行った。 調査農業経営や先行研究における労働報酬決定システムの典型は次の通りである。雇用労働力の労働報酬に関してはその技能・勤続年数を考慮に入れつつ地域の労働力市場においておおむね決定される。一方、家族労働力に関しては一部の家族労働力に関しては労働報酬の基準額が袂まっている経営は存在するものの、諸経費を除いた残金が所得という考え方・取り扱いが中心的である。また、経営の報酬決定のシステムにはその規模・作目畜種・労働力構成だけでなく、経営の基本的目的・目標も影響を及ぼしていることがわかった。 他産業における労働評価・報酬決定システムに関しては、特に労働の質・量とその成果の関係をいかに評価するか、に焦点を当てて資料収集を行った。結果、従来の原価管理・原価計算にかわってABC/ABMという手法が現在問題を抱えつつも普及しつつあることがわかった。これによって経営資源の利活用の状態をその活動水準を基準にして評価することも可能であり、農業法人経営においてこの手法を採用することが可能かどうかの検討が必要であると考えられる。この点については来年度に具体的検討を行う計画である。
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