1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10760149
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宮内 樹代史 高知大学, 農学部, 講師 (80253342)
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Keywords | 青果物 / 呼吸速度 / 環境温度 / 応答 |
Research Abstract |
流通過程における環境の変動に対して、青果物がどのような挙動を示すか検討するために、温度変動に対する青果物の呼吸速度の応答について調べた。本年度は、まず、基本的な温度変動パターンに対する青果物の呼吸特性を把握するため、環境温度をステップ状に昇温および降温させた場合の青果物の呼吸速度を測定した。 供試材料として、ナス及びホウレンソウを用い、これらを入れたチャンバを低温恒温器内に設置し、降温及び昇温操作を行った。温度変動幅は10℃とし、降温時は15℃から5℃に、昇温時は5℃から15℃に変動させた。また、チャンバ内を通過したガスのCO_2濃度は赤外線ガス分析計により測定し、この値から呼吸速度を算出した。環境温度及び品温はT型熱電対で測定し、記録した。 ナス、ホウレンソウの呼吸速度は、ともに品温同様、環境温度に対して指数関数的に変動したが、降温時の方が昇温時に比べ、急激であった。ナスの場合、降温前の平均呼吸速度21.5 mg/kg/hが、降温後約100分で5.3mg/kg/hとほぼ一定となり、昇温時は8.0mg/kg/hであったものが、約270分で24.0mg/kg/hとなった。また、Q_<10>値は2.5程度であった。ホウレンソウの場合は、降温前52.8mg/kg/hであったものが、約45分後に9.5mg/kg/hとなり、昇温前12.5mg/kg/hであったものが、約200分で56.8mg/kg/hとなった。Q_<10>値は2.8程度であった。 次年度は、温度変動パターン及び温度域を広げデータを蓄積し、呼吸特性のモデル化を検討するとともに、実際の流通過程での温度履歴に対する青果物の呼吸特性について調べ、流通過程における青果物の呼吸量の最適制御について検討する。温度変動に対する青果物呼吸速度の応答特性をモデル化し、流通過程の温度履歴に対応した青果物の呼吸量を予測することは、貯蔵生理及び流通技術改善の基礎資料として有用であると考えられる。
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