1998 Fiscal Year Annual Research Report
食中毒菌に対して殺菌効果を示す乳用乳酸菌の作る抗菌ペプチドの特性解析
Project/Area Number |
10760155
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川井 泰 東北大学, 農学部, 助手 (00261496)
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Keywords | 抗菌性ペプチド / バクテリオシン / 乳酸菌 |
Research Abstract |
当研究室で開発した迅速・簡便なマイクロプレートを用い、Lact obacilus acid ophilusグループ乳酸菌98菌株中により生産されるバクテリオシンについてスクリーニングしたところ、食中毒菌に抗菌スペクトルが広く、有用乳酸菌に対しては殺菌効果が無いバクテリオシン生産株を14株得た。中でも、SBT10020株により生産されるバクテリオシンは、グラム陰性菌であるサルモネラや大腸菌に効果を示した。また、本バクテリオシンは、プロテアーゼおよび温度感受性であった。L.acid ophilusグループ乳酸菌SBT10020株をMRS培地にて培養(37℃、24時間)後、遠心分離により除菌した。得た培養上清をC8およびC18逆相ク口マトグラフィーに供し、水、30%、60%、90%アセトニトリル、30%、60%、および90%イソプロパノールの順で溶出させた。得られた各画分の活性をマイクロプレート法にてリステリアおよび黄色ブドウ球菌で調べたところ、C8逆相クロマトグラフィーの90%アセトニトリルに強い活性、および90%イソプロパノール画分に弱い活性が認められた。SDS-PAGEにて分子量の測定を行ったところ、他のバクテリオシンに報告されているようにクマシー染色では染まらず、活性の所在を確認するin situ Assayにて推定を試みた。しかしながら、SDS化によって失活することが判明し、現在、検討中である(論文未発表)。以上のことから、不安定性の高分子型バクテリオシンであることが示唆され、L.acid dophilusグループ乳酸菌では初めでグラム陰性菌にも効果があることから、新規なバクテリオシンであると考えられた。
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Research Products
(1 results)