1998 Fiscal Year Annual Research Report
体重に関与する量的形質遺伝子座群の染色体マッピング : マウスを家畜のモデルとして
Project/Area Number |
10760161
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 明 名古屋大学, 農学部, 助手 (20211724)
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Keywords | マウス / 量的形質 / 体重 / QTL / モデル動物 / マッピング / 家畜 |
Research Abstract |
フィリヒン産野生マウスとC57BL/6J近交系マウスとの交配から得られた戻し交配世代387個体を用いて、生後10週齢体重に関与する量的形質遺伝子座(QTLs:Quantitative trait loci)のマッピング(QTL解析)を行った。DNApoolingによるQTL探索の結果、8本の候補染色体が雌雛に共通して検出された。これらの候補染色体について、表現型の両極端の個体約22%を選抜し、selective genotypingを行った。Interval mappingとcomposite interval mappingを行った結果、2個のQTLsを発見することができた。1つ目のQTLは、第2染色体のD2Mit324上にあり(LOD=6.8)、8.3らの表現型分散を説明した。2つ目のQTLは、雛のみから検出され、X染色体のDXMi157とDXMi175の間に存在し(LOD=2.2)、1.8%の表現型分散を説明した。両QTLsは、共に、野生マウス由来の対立遺伝子が体重を減少させた。第2染色体上のQTLの近傍には現在までに体重や成長に関与するOTLsが発見されていないことから、このQTLは新規なものであると考えられた。候補遺伝子としてグルカゴン(Gcg)遺伝子があげられた。X染色体上のQTLは以前に報告された生後40週齢体重に関与するQTL(Bwl)の対立遺伝子である可能性が示唆されたが、候補遺伝子は特に発見されなかった。ヒトと家畜における相同染色体領域を検索した結果、第2染色体上のQTLては、ヒト第2染色体の2q22〜q24に、ブタ第15染色体のl5qに相同領域があることが示唆された。X染色体上のQTLては、ヒトX染色体のXp11またはXq22〜q26に、ヒツジのX染色体上に相同領域があることが示峻された。今後、残りの染色体について、同様なQTL解析を進める予定である。
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