1998 Fiscal Year Annual Research Report
逆遺伝学による葉緑体タンパク質をコードしている新遺伝子の解析
Project/Area Number |
10760187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永野 幸生 名古屋大学, 農学部, 助手 (00263038)
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Keywords | 葉緑体 / 逆遺伝学 / アセチルCoAカルボキシラーゼ / 2ハイブリッド法 |
Research Abstract |
植物の最も特徴的な点は、葉緑体をもつことである。葉緑体は、光合成をはじめとする様々な機能をもつ。葉緑体に局在するタンパク質の遺伝子の中でも、核コードのものについては、葉緑体コードのものに比べて、わかっていないことが多い。そこで、機能が未知で、且つ核コードの葉緑体タンパク質をコードしている遺伝子について解析することにした。まず、解析の候補となる遺伝子を探索することにした。 葉緑体の代表的な機能として、光合成などの他に脂肪酸合成が知られている。以前に、脂肪酸合成の律速段階の反応を触媒するアセチルCoAカルボキシラーゼが、細菌のものと類似のマルチサブユニット酵素であることをみつけた。この酵素と相互作用するタンパク質をみつけることは重要であるので、それの探索を試みた。アセチルCoAカルボキシラーゼのサブユニットの一つをコードしてぃるaccDを餌として、2ハイブリッド法で相互作用するタンパク質をみつけることを試みた。しかし、accDの遺伝子産物が酵母の核内において転写活性化能をもつことがわかったので、2ハイブリッド法の餌としては、不適切であることがわかった。accDの遺伝子産物とaccAの遺伝子産物が複合体を形成することがわかっている。そこで、両者を共発現させたものを餌とする3ハイブリッド法を試みることにした。accAとaccDを共発現させたものは、酵母の核内において転写活性化能をもたなかった。スクリーニングを試みた結果、現在のところ、accDの遺伝子産物とaccAの遺伝子産物を共発現させたものと相互作用するタンパク質の同定には至っていない。この方法で単離した遺伝子について、逆遺伝学等の手法でさらなる解析を試みる予定である。
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