1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10760188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大和 勝幸 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (50293915)
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Keywords | ゼニゴケ / 性染色体 / Y染色体 / PACクローン / 反復配列 / 形質転換 |
Research Abstract |
前年度から単離したY染色体由来PACクローンpMM4G7には、BamHl2.4kbの反復配列が存在する。この反復配列はサザンハイブルダイゼーションおよびPCRの結果より、Y染色体に特異的であることが明らかになった。すなわちBamHl2.4kb断片と相同な配列を持つPACクローンはY染色体由来であると考えられる。そこで、この反復配列をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーションを行い、PACクローン429個を得た。これらのうち、雄ゲノムDNAにのみハイブリダイズするPACクローンは70個であった。クローン整列化に必要な分子マーカーを得るため、Y特異的PACクローンからpMM4G7とそれを含むpMM29D7を除いた68個のDNA混合物のショットガンシークエンスを行い、その塩基配列情報からマーカーとして利用できるプライマーセットを53組設計した。これらのプライマーセットを利用し、pMM4G7を起点に総全長1.6Mbpにわたる5つのコンティングを作製した。これらのコンティングに属する雄特異的PACクローンの一部については塩基配列を決定し、遺伝子コード領域を発見した。この中には、転写因子やリングフィンガーモチーフをもつタンパク質がコードされていた。 Y染色体DNA中に見いだされた新奇な遺伝子の機能を解析するため、ゼニゴケの形質転換系を開発した。無性芽播種後約2週間のゼニゴケ葉状体に、パーティクルガンを用いてCaMV35Sプロモ-タで発現するハイグロマイシン耐性遺伝子を導入した。約2ヶ月でハイグロマイシン耐性株が得られ、その過程で植物ホルモンの調製による脱分化・再分化操作の必要がないことから、遺伝子操作による機能解析に極めて有用であると言える。
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[Publications] Sone et al.: "Bryophyte 5S rDNA was inserted into 45S rDNA repeat units after the divergence from higher land plants"Plant Molecular Biology. 41. 679-685 (1999)
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[Publications] Takenaka et al.: "Direct transformation and plant regeneration of the haploid liverwort Marchantia polymorpha L."Transgenic Research. (in press). (2000)