1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金澤 寛明 名古屋大学, 医学部, 講師 (40214431)
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Keywords | 味蕾 / エブネル腺 / 神経 / 血管 / PGP9.5 / アルカリフォスファターゼ / ラット / 透過電顕 |
Research Abstract |
舌の有郭乳頭の味蕾と近傍の小唾液腺エブネル腺の関係を神経と血管から調べた。動物はラットを用いた。 1.神経に関してはPGP9.5による免疫組織化学で染色した。 2.血管はゼラチンを加えた青インクを注入後、固定し、その後アルカリフォスファターゼ染色により動脈を赤く染色し、静脈(染まらず青いまま残る)を区別した。 3.神経と血管の関係は血管を染めた後にPGP9.5の染色をを施した標本も観察した。 4.透過電顕で味蕾下の血管や神経の微細構造を観察した。 神経に関しては、すでに本研究者はPGP9.5により味蕾内の味細胞(III型細胞)と神経のほとんどが染め出されること、また味蕾下では味蕾の底部と基底膜の間(味蕾内神経叢)および基底膜下の結合組織層内(味蕾下神経叢)の2カ所に神経線維の集まりがあることを示している。今回、この基底膜下の神経叢から出た神経線維が下降し、エブネル腺に分布していることを見いだした。血管に関しては、有郭乳頭の結合組織芯の中央部を上行する動脈から2ないし5カ所の高さから味蕾の存在する領域に細動脈が枝としてのびており、この細動脈から2、3本の毛細血管が枝分れし、味蕾直下に分布した後、ループをえがきながら味蕾から離れ静脈に移行し、その後静脈の一部はエブネル腺に分布していた。味蕾下の毛細血管は味蕾下神経叢と基底膜の間に水平に広がるように分布している。これは血管のループの頂部にあたる。以上より、味蕾とエブネル腺との間には神経と血管(血液)の2重の連絡路があり、神経はひとつの味を感じた後すぐ別の味を感じなければならない場合、血液は絶えず一定量の唾液分泌を指令することが考えられる。また、味蕾直下の密接な神経と毛細血管の層の間にもなんらかの関係があることも予想されるがこの点は今後の課題である。
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