1998 Fiscal Year Annual Research Report
茶カテキン類の肥満細胞メディエーター放出抑制機構の解析
Project/Area Number |
10770029
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
松尾 哲孝 大分医科大学, 医学部, 助手 (10284788)
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Keywords | アレルギー / 肥満細胞 / 茶カテキン / ヒスタミン / ロイコトリエン |
Research Abstract |
申請者は、茶カテキン類が肥満細胞株RBL-2H3細胞およびラット腹腔内細胞(PEC)のケミカルメディエーター(ヒスタミン及びロイコトリエン)放出をin vitroで抑制することを既に明らかにしている。そこで、本年度は、茶カテキン類の生体内での肥満細胞のケミカルメディエーター放出抑制効果について検討した。 まず、茶カテキン類の中で最も強い抑制活性を示したエピガロカテキンガレート(EGCG)を24および12時間前にWistarラット腹腔内に投与した。次に、ラット腹腔内からPECを取り出し、カルシウムイオノファーA23187で刺激したときに放出されるヒスタミン量を測定した。その結果、A23187の刺激によって放出されるヒスタミン量は、EGCGの投与により抑制されることが明らかとなった。 次に、茶カテキン類の経口投与における肥満細胞のケミカルメディエーター放出抑制効果について検討した。まず、AIN-93に準じた実験飼料を調製し、食餌脂肪として、サフラワー油・月見草油・パーム油の3種を選び添加した。これに茶カテキン類の混合物を1%(w/w)添加してラットに3週間自由摂食させた。3週間後、ラットを屠殺し、腹腔内からPECを取り出してA23187で刺激したときに放出されるケミカルメディエーター量を測定した。その結果、茶カテキン類のヒスタミン抑制効果は認められなかったが、ロイコトリエン放出においては、すべての食餌脂肪群で抑制効果が認められ、特にサフラワー群ではその活性が強かった。また、月見草群では、PECが産生するLTB4およびLTB5の両方の放出を抑制することが明らかとなった。
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