1999 Fiscal Year Annual Research Report
雄ラットの性行動中におけるペニス活動のモニタリングとその調節機構
Project/Area Number |
10770034
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三浦 剛史 日本医科大学, 医学部, 助手 (70287746)
|
Keywords | 性行動 / 勃起 / 筋電図 / 周波数 / 球海綿体筋 / 坐骨海綿体筋 |
Research Abstract |
これまでの研究で雄ラットの性行動はマウント、イントロミッション、射精の三つがありそれぞれの行動中の筋電図は特徴的な波形を示すことがわかった。筋電図は勃起に深く関係する筋肉である球海綿体筋と坐骨海綿体筋に手術によって記録用の電極を埋設し実際に行動させることで得られた。どの場合の筋電図も球海綿体筋と挫骨海綿体筋はほぼ同時に発火を始め、終息していくが、1.マウント時の筋電図では発火開始の後、挫骨海綿体筋に急激な振幅の増加を認めた 2.イントロミッション時では挫骨海綿体筋の急激な振幅増加の後、球海綿体筋の振幅増加及び短い休止がみられた。 3.射精時では発火の後同様に挫骨海綿体筋の振幅の増加、球海綿体筋の振幅の急激な増加と短い休止を認めたがイントロミッションと違い、球海綿体筋と挫骨海綿体筋の両方に発火、休止を繰り返す発火パターンがみられ全体の発火の持続時間は長かった。しかし必ずしも二つの筋のその発火は一致しないことがわかった。 その波形を振幅の増幅が始まってからの高振幅の相とその前に見られた低振幅の相に分け高速フーリエ変換を用い、それらにおける周波数分布を比較した。その結果膣への陰茎の挿入に伴うイントロミッションでの球海綿体筋の筋電図のうち高振幅の相に低振幅の相では見られなかった明らかな周波数分布の変化がみられた。この変化は200〜400Hzの付近に低振幅の相には見られないPowerの分布である。しかし、マウントでの筋電図ではこのような周波数帯の偏りは見られずしかもイントロミッションの場合でも挫骨海綿体筋では高振幅の相が見られるにもかかわらず周波数の偏りは見られなかった及び、射精時の波形の解析ではこのような変化はみられなかった。
|