1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ心臓におけるエンドセリン受容体の特異性の解析
Project/Area Number |
10770036
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
蓬田 伸一 山形大学, 医学部, 助手 (90250802)
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Keywords | Endothelin Receptor / cDNA cloning / RNase protection assay / Rabbit / Gene expression |
Research Abstract |
ウサギ心筋細胞の、エンドセリンやその受容体拮抗薬に対する反応は、従来他の哺乳類で報告されている反応性とは異なった性格を持つことが明らかになっている。本研究では、この反応性の違いがウサギエンドセリン受容体の構造的な違いによるものなのか、あるいは受容体以降の情報伝達系が異なるためなのかを明らかにすることを目的として検討を行っている。本年度は、ウサギエンドセリン受容体遺伝子のクローニングと、各組織におけるmRNAの発現についての検討を行った。 PCR法によりクローニングしたウサギエンドセリン受容体遺伝子は、他の哺乳類でこれまでの報告にあるとおり2種類(ET_AおよびET_B受容体)存在し、G蛋白質共役7回膜貫通型の受容体を形成しているものと考えられた。ET_AおよびET_B受容体の、ヒトエンドセリン受容体とのアミノ酸レベルでの相同性は、それぞれ96%、90%であり、主としてN末端の細胞外領域が異なるのみであった。このことより、ウサギ心筋細胞のエンドセリンに対する反応性の違いは、その受容体の構造的な違いではなく、ウサギ心筋細胞の細胞内情報伝達系が他の哺乳類のそれとは異なっている可能性を示唆する。 RNase protection assay法により、各組織におけるウサギエンドセリン受容体mRNAの発現を確認したところ、主として心臓、肺、中脳において強いmRNAの発現を認めた。特に肺、中脳においては、ET_A受容体mRNAよりもET_B受容体mRNAの発現が強く認められた。
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