1998 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム可視化によるプレクストリン相同ドメインの機能解析
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10770037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00292730)
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Keywords | プレクストリン相同ドメイン / I P_3 / カルシウム / ホスホリパーゼ / 蛍光測定 / ホスホイノシタイド |
Research Abstract |
本研究の目的は、PHドメインの細胞内動態を直接リアルタイムに可視化することによって、ターゲット分子へのアンカリングがどの様に制御されるのかを明らかにし、その機能を解明することであったが、この目的でのうえでホスホリパーゼC(PしC)δのPHドメインを一つのモデルとした。PLCδPHドメインのアンカリングではPIP_2がターゲットとなるであろう想定されている。また、産物であるIP_3によりPLCδのアンカリングが動的に制御されている仮説がある。また、他のPHドメインについても同様な動的アンカリング制御があることは考えられる。しかし、このようなことが実際に細胞内で起きているかは実際に確かめられていない。本年度は、PLCδのPHドメインについて以下の実験を行った。PHドメインを大腸菌でリコンビナント蛋白質として発現したものを蛍光標識したものを作製した。蛍光標識体を得るため、PLCδのPHドメインをリコンビナント蛋白として大腸菌で発現したものを分離、精製した。これをacrylodan、dapoxyl-bromoacetamideで標識することによって、蛍光色素標識体を作製した。これら蛍光ラベル対はIP3を加えることによってその蛍光強度が変化する事がわかった。このことからPHドメインがIP3を高親和性に結合できること、結合によってコンフォメーション変化が生ずることが明らかになった。また、PHドメインがPIP2に結合することがsuraface plasmon resonanceアッセイによって確かめられた。従って、蛍光標識PHドメインが細胞内でどのような挙動をするかを解析することが可能であることが示唆された。
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[Publications] 廣瀬 謙造: "Allosteric regulation by cytoplasmic Ca2+ and IP3 of the gating of IP3 receptors in permeabilized guinea-pig vascular smooth muscle cells" Journal of Physiology. 506. 407-414 (1998)
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[Publications] 竹島 浩: "Embryonic lethality and abnormal cardiac myocytes in mice lacking ryanodine receptor type 2" EMBO Journal. 17. 3309-3316 (1998)
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[Publications] 平林哲也: "Critical Duration of Intracellular Ca2+ Response Required for Continuous Translocation and Activation of Cytosolic Phospholipase A2" 274. 5163-5169 (1999)
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[Publications] 橋本 彰子: "Inhibitory Modulation of B cell Receptor-Mediated Ca2+ mobilization by SH2 Domain Containing Inositol 5'-phosphatase (SHIP)" Journal of Biological Chemistry. (印刷中). (1999)
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[Publications] 宮川 知也: "Encoding of Ca2+ signals by differential expression of IP3 receptor subtypes" EMBO Journal. (印刷中). (1999)