1998 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質Rasの標的蛋白質RalGDSの生理機構の解析
Project/Area Number |
10770051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岸田 想子 広島大学, 医学部, 教務員 (40274089)
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Keywords | Ras / RalGDS / Ral / 低分子量G蛋白質 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
Rasに代表される低分子量G蛋白質は、細胞の増殖や分化など多彩な細胞機能を制御することが明らかになっている。Rasの標的蛋白質は、蛋白質リン酸化酵素RafやRalGDSをはじめ複数見出されており個々の標的蛋白質がそれぞれ固有の細胞内情報伝達系を介して細胞機能を制御することが明らかになりつつある。RalGDSは別種の低分子量G蛋白質Ralに対するGDP/GTP交換反応促進蛋白質である。Ralの生理機能は不明であったが、私共は、Rasのシグナルの一部がRalGDSを介してRalに伝えられることを見出した。私共はすでに、RalGDSが遺伝子発現を制御することを明らかにした。しかし、それ以外にRalGDSの機能が存在するか否かは不明である。本研究では、これまでに知られていなかったRalGDSの新しい生理機能を明らかにすることを目的としている。 RasからRalGDSを介して別種の低分子量G蛋白質Ralヘシグナルが伝達される際に、RalGDSは細胞質から細胞膜に移行することが報告されている。Ralは細胞膜と細胞内小胞に存在するため分泌に関与することが予想されていたが、Ralの機能は不明であった。そこで、培養細胞にドミナントアクティブ型Ralやドミナントネガティブ型Ralを導入したところ、EGFやインスリンの受容体のエンドサイトーシスが抑制された。したがって、Ralは受容体のエンドサイトーシスに関与していることが明らかとなった。私共は、EGF刺激によってRas依存性にRalGDS/Ralが活性化することを見出しているので、Ras/RalGDS/Ralを介するシグナル伝達系がEGF依存性の受容体のエンドサイトーシスを制御する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kishida,S.: "Axin, a negative regulator of the wnt signaling pathway, directly interacts with adenomatous polyposis coli and regulates the stabilization of β-catenin" J. Biol. Chem.273・18. 10823-10826 (1998)
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[Publications] Kishida,M.: "Axin prevents Wnt-3a-induced accumulation of β-catenin." Oncogene. 18・4. 979-985 (1999)
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[Publications] Yamamoto, H.: "Phosphorylation of Axin, a Wnt signal negative regulator, by glycogen synthase kinase-3β regulates its stability." J. Biol. Chem.in press. (1999)
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[Publications] Kishida,S.: "DIX domains of Dvl and Axin are necessary for protein interactions and their ability to regulate β-catenin stability." Mol. Cell. Biol.in press. (1999)