1998 Fiscal Year Annual Research Report
コレシストキニン・A型レセプター欠損マウスの作製とその生理・生物学的解析
Project/Area Number |
10770056
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
瀧口 総一 国立小児病院, 国立小児医療研究センター, 研究員 (00280793)
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Keywords | コレシストキニンレセプター / CCK / ノックアウトマウス / ES細胞 / 相同組換え変異体 / キメラマウス |
Research Abstract |
ペプチドホルモンであるコレシストキニン(CCK)のA型受容体は、消化器系統を中心に分布し、CCKの刺激に応じて臓器の機能を発揮させている。本レセプターと疾病との関連を調べる目的で、ノックアウトマウスの作成を行った。まず、我々が129svマウスのゲノムライブラリーより単離、構造決定をしたCCKのA型受容体遺伝子のクローンを基にターゲッティング・ベクターの構築を行った。受容体の機能を全くなくすこと、およびlacZ遺伝子により発現をトラップすることを考え、エクソン1の翻訳領域とエクソン2を、lacZ-neoカッセトで置換するように計画した。またネガティブ選択のために、ジフテリアA毒素遺伝子を相同領域の外側に配置した。以下常法に従い、マウス胚性幹細胞(ES細胞)のトランスフェクションを行い、G418で耐性コロニーを選択した。続いてサザンブロッティング法により相同組換え変異体を同定した。130個のG418耐性コロニーのうち独立な3クローンが選択された。そのうちの2クローンよりキメラマウスを作成した。これらのキメラマウスの内キメラ率の高い個体を、野生型マウスと交配し、F1マウスを作成した。F1マウスの内、約2分の1で変異のジャームライントランスミッションを確認した。F1ヘテロ変異マウス同士の交配により、F2マウスを作成した。F2マウスをDNAレベルおよびRNAレベルで確認をしたところ、約4分の1がホモ変異マウスであった。以上のように、CCKのA型受容体のノックアウトマウスは生存可能であり、本レセプターは生存には必須ではないことが判明した。
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