1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳腫瘍におけるCD44変異体mRNAのin situ検出
Project/Area Number |
10770078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 諭 九州大学, 医学部, 助手 (90294917)
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Keywords | 脳腫瘍 / 接着分子 / CD44 / 選択的スプランシング / 転移 / 浸潤 / in situ hybridization |
Research Abstract |
先に確立したプロトコールに従って,免疫組織化学的にCD44蛋白発現の確認された脳腫瘍(膠腫,転移性癌,頭蓋咽頭腫,分泌型髄膜腫)のホルマリン固定パラフィン切片を用いて検討した。まず,CD44の全てのアイソフォームを認識するジゴキシゲニン標識cRNAプローブによるin situ hybridization(ISH)を行った。これにより,プロトコールの再現性を確認するとともに,CD44mRNAとCD44蛋白が同一の細胞で発現していることを示した。このことより,CD44蛋白の局在が,それを産生する細胞と一致し,さらに様々なアイソフォームの発現パターンの違いを解析することが,CD44蛋白の機能異常の解析にもつながることがわかった。 次いで,変異型CD44で発現される8つのエクソンv3からv10を5つのドメイン(v3,v4+v5,v6+v7,v8+v9,v10)に分けて,それぞれに対するジゴキシゲニン標識cRNAプローブを作製した。これらのプローブを用いて,標準型CD44のmRNAの染色を認めた転移性癌の凍結切片に対するISHを試みた。このうちv3およびv6+v7に対するプローブで陽性所見を認めた。一方,同じプローブを用いたRT-PCR産物に対するSouthem blottingでは全てのドメインの発現が検出された。ISHの結果は,RT-PCR産物に対するSouthernblottingでは検出できなかったそれぞれのドメインの発現量の差を示すものと考えられた。
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