1998 Fiscal Year Annual Research Report
消化管間葉腫瘍(GIST)の悪性度を規定する分化・遺伝子指標
Project/Area Number |
10770083
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
櫻井 信司 自治医科大学, 医学部, 助手 (00285769)
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Keywords | GIST / ミオシン重鎖アイソフォーム / SMemb / telomerase / c-kit / interstitial cells of Caja.l |
Research Abstract |
消化管間葉腫瘍(gastrointestinal stromal tumor、GIST)の発生・分化について検討するために、GIST27症例について免疫組織学的に平滑筋ミオシン重鎖(MHC)アイソフォーム(SM1,SM2,SMemb),CD34,KITの発現について検討した。対照として、食道および子宮平滑筋腫9症例、子宮平滑筋肉腫8症例、神経鞘腫3症例についても同様に検討した。(結果)SM1,SM2,SMemb,CD34,KITの発現はGIST(0/27,0/27,19/27,23/25,25/27)、平滑筋腫(9/9,9/9,0/9,0/9,0/9)、平滑筋肉腫(5/8,5/8,2/8,0/8,0/8)、神経鞘腫は全ての抗体に陰性であった。消化管においてSMemb,CD34,KIT全てに陽性を示す細胞はCajalの介在細胞(ICC)のみであり、この結果はGISTのICC由来を示唆するものである。 また、GISTにおけるtelomerase再活性化の有無について26症例29病変のGISTについて検討した。(結果)原発巣24病変中7病変(29%)で、また、転移巣5病変全て(100%)にtelomeraseの再活性化を認めた。telomeraseの再活性化は腫瘍の大きさ、増殖能、組織学的悪性度、予後と密接に相関し、GISTの悪性度の評価に有用と考えられ、また、GISTの一部が将来telomerase inhibitorによる治療の対象となりうることが示唆された。 現在、GISTにおけるc-kit遺伝子変異、microsattelite markerを利用した遺伝子不安定性、遺伝子欠失の有無について検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 櫻井信司他: "Telomerase activity in gastrointestinal stromal tumors." Cancer. 83. 2060-2066 (1998)
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[Publications] 櫻井信司他: "Embryonic form of smooth muscle myosin heavy chain(SMemb/MHC-b)in gastrointestinal stromal tumor and interstitial cells of Cajal." American Journal of Pathology. 154. 23-28 (1999)