1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウスPre-Bリンパ腫DNAにおけるレトロウイルス挿入部位の解析と発病機構
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10770095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿不江 パタール 京都大学, 医学研究所, 助手 (60293875)
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Keywords | SL / Khマウス / Pre-Bリンパ腫 / 内在性レトロウィルス / プロウィルス / Inrerse PCR / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
SL/Khマウスは当教室で育成したPre-Bリンパ腫を高率に自然発生するモデル系で、その発病には内在性レトロウイルスと宿主の遺伝的背景の組み合わせが重要である。SL/Khの自然発生Pre-Bリンパ腫症例を多数集め、制限酵素で切断したそのDNAについて内在性Ecotropic MuLVのenvをプローブとしてサザン解析を行い、ウイルスゲノムのクローナルな新挿入を検出し、そのサイズから共通挿入部位があることが示唆された。ついでサザン法で共通挿入部位と思われるバンドが集中しているゲル位置からDNAを抽出して、これをテンプレートとし、ウイルスゲノム内部に適当なプライマーを設定してInversePCR法にてウイルス・宿主ジャンクションを含む産物を得た。このうち、germline DNAから類似の産物が増幅された場合には内在性ウイルス・宿主ジャンクションの可能性があるので捨てた。新挿入部位ジャンクションと思われる産物については制限酵素地図を作成し、ウイルスゲノム部分を推定し、これを切り落とした。これで得られた断片を宿主側フランキングシーケンスとした。この断片をプローブとしてリンパ腫DNAのサザン解析をおこなった。genomicDNAと比較し、組み換えを認めた断片の塩基配列の決定と、その断片をプローブとしてFISH法にて染色体位置を決定することを次のステップとして実行中である。染色体位置から既知の癌遺伝子を探索する。近傍に既知の癌遺伝子がない場合にはゲノミックライブラリーからこの配列を含む宿主配列をウオークしウイルス挿入により活性化される遺伝子を探す。この研究について阿不江は平成10年10月より留学のため休職になったので、後任の鶴山助手が継続している。
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[Publications] Abujiang P.: "Loss of heterozygosity(LOH)at 17q and 14q in human lung cancers." Oncogene. 17. 3029-3034 (1998)
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[Publications] Hiai H.: "Genetic and epigenetic Susceptibility to endogenous retrovirus-induced lymphomas in SL mice." In Progress in Experimental Tumor Research Vol.37 Animal Modela of Cancer Predisposition Syndrome's, (in press)