1998 Fiscal Year Annual Research Report
加齡に伴うFas抗原発現を介する肝細胞死増強と食餌制限によるその抑制に関する研究-セラミド.DNaseYの活性化-
Project/Area Number |
10770101
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
樋上 賀一 長崎大学, 医学部, 講師 (90253640)
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Keywords | 老化 / 食餌制限 / Fas / Fas ligand / DNase γ / セラミド |
Research Abstract |
1. 科研費交付前から、長崎大学医学部動物実験施設にpathogen freeの状態で、系統的に維持されているコントロールおよび食餌制限された雄F344ラットを、3,6,15,24カ月齢に生理状態で屠殺し、ラットから肝臓を摘出後、免疫組織化学用に4%パラホルム固定パラフィン包理切片、in situ hybridization用に4%パラホルム固定OPC compound包埋凍結切片、またmRNAの定量、セラミドの定量、DNase活性の定量用に-80℃凍結標本を準備、作成した。 2. 科研費交付後、まず初めにFas、Fas ligandおよびDNaseγ mRNAに対する定量的RT-PCR法におけるPCRの至適条件を決定した。 3. DNase活性を測定するactivity gel assay(核抽出液をcalf thymus DNAを含むSDSゲルで電気泳動後incubateし、消化されたDNA量を計測することにより、DNase活性を定量化する)という方法が、肝組織より採取された肝細胞核から得た核抽出液においても、DNase活性の定量に利用可能なことを明らかにし、至適条件を設定した。 4. Fas発現の加齢変化と食餌制限によるその影響:コントロールラット肝臓ではFas mRNA量は、加齢にともない直線的に有意に増加する。食餌制限ラットでは3カ月齢においては、コントロールラットに比し、Fas mRNA量は有意に高いものの、加齢に伴う増加率は低く、24カ月齢ではコントロールラットに比し、有意に低い値を示した。Fasに対する免疫組織化学により、加齢に伴い肝細胞の免疫染色性が増加し、また加齢に伴って観察される過形成を示す胆管上皮にも、強い免疫染色性を示したが、食餌制限により、肝細胞の免疫染色性は抑制され、また胆管上皮の過形成も抑制された。 5. DNaseγ発現の加齢変化と食餌制限によるその影響:コントロールラットおよび食餌制限ラット肝臓ともに、DNaseγ mRNA量は加齢にともない有意に増加するものの、食餌制限による影響は見られなかった。DNase活性の定量については、現在進行中である。 6. Fas ligand mRNAおよびセラミドの定量、DNaseγに対するin situ hybridizationは、現在進行中である。
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