1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770102
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
千葉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00295346)
|
Keywords | ノックアウト細胞 / Cre / lox P / リガンド誘導性Creリコンビナーゼ / 部位特異的遺伝子組換え / 遺伝子発現誘導システム / タイト結合 / 生体バリアー |
Research Abstract |
タイト結合は、上皮・内皮の最も内腔側に存在する細胞間接着装置で、細胞間の選択的透過性を制御するバリアー機能の本態である。近年いくつかのタイト結合関連分子が見い出されており、その相互作用が生体バリアーの形成・制御に重要な役割を果たすと想定されている。我々はタイト結合関連分子barmotin(7H6抗原)を発見し(J.Cell Biol.,120,477-485,1993)、この分子がバリアー機能に深く関与している可能性を示してきた。一方、申請者らは、リガンド誘導性Creリコンビナーゼを開発し、その活性をマウスF9細胞株及びマウス個体においてエストロゲン誘導体タモキシフェンで厳密に制御することを可能とした。また、同一細胞株に遺伝子発現誘導系を導入し、多数の遺伝子の導入・ノックアウトと遺伝子発現の時間的・量的調節が行なえる複合システムを開発した(医学のあゆみ,186,705-710,1998;実験医学,17,155-158,1999;投稿準備中)。さらに、ラット血管内皮細胞株にテトラサイクリン制御転写因子発現ベクターを導入し、遺伝子発現誘導系を樹立した。これらの細胞株で多種類のタイト結合関連分子の発現を時間的・量的に誘導し、タイト結合の機能解析を目指す。また、occludinのN末端・C末端細胞内ドメイン及びbarmotinと結合する分子群を同定することによって、タイト結合の構築・機能・制御機構を分子レベルで明らかにする。本研究は、生体バリアーの破綻による種々の病態の成立・治療に貴重な情報を提供することが期待される。
|