1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい粘液関連トレフォイルペプチドと腸管寄生虫排除時のラット杯細胞粘液糖鎖の変化
Project/Area Number |
10770109
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
中村 ふくみ 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90295204)
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Keywords | trefoil peptides / 杯細胞粘液 / Nippostrongylus brasiliensis / 異所性発現 |
Research Abstract |
Nippostrongylus brasiliensis(Nb)感染経過中に、Trefoil peptidesが異所性に発現するというmRNAレベル(Northern blotting)のデータを元に蛋白レベルでの解析を試みた。まず、各trefoil peptidesの合成ペプチドを用いて作成した抗血清を用いて免疫染色を行った。ところが、通常私達が用いているカルノア固定・パラフィン切片で、正常時、常に発現しているトレフォイルペプチドは染色されるものの、異所性に発現しているものは捉えることができなかった。固定法を変え、抗原賦活法を行ったり、凍結切片を作成したが同様の結果であった。次にWestern blottingによる検討を行ったが、やはり異所性に発現するtrefoil peptidesを捉えることはできなかった。 この結果、異所性に発現するtrefoil peptidesのmRNAシグナルはいわゆるnonsenseなものである可能性、蛋白は作られているが極微量のため通常の方法では捉えられなかった可能性などが考えられる。Northern blottingで得られたmRNAシグナルは非常に弱いものであり、後者の可能性が高いと考えられ、検出感度を高める方法を検討中である。また、trefoil peptidesの異所性発現が、他の実験モデル(感作ラットにnormal wormを移入する系、ヌードラットにdamaged wormを移入する系)でも見られるのか検討中であり、Nb排除時の杯細胞粘液糖鎖末端の変化とtrefoil peptidesの異所性発現が常に同時に起こっているのか確認を進めている。
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