1998 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎モデルにおける黄色ブドウ球菌感染の解析
Project/Area Number |
10770112
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐々木 早苗 弘前大学, 医学部, 助手 (40261440)
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Keywords | 卵白アルブミン / アレルギー / 黄色ブドウ球菌 / IgE / マウス / 感染 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎の病因・病態には多様な因子が関与しており、重症化したアトビー性皮膚炎では、角質バリア機能が失われ表層細菌感染を合併する症例が認められる。皮膚の常在菌は、正常者の多くは表皮ブドウ球菌であるが、アトピー性皮膚炎患者の病変部からは黄色ブドウ球菌が最も多く検出される。当該研究では、卵白アルブミンを用いI型アレルギーモデルマウス(OVA感作マウス)を作成し、正常マウスとOVA感作マウスにおける黄色ブドウ球菌感染の感受性、サイトカイン応答性及び液性抗体の関与を検討する。 1. OVA感作マウスにおいて1×10^7CFU/mouseの黄色ブドウ球菌を静脈内投与し、感染3日後、7日後の脾臓・肝臓・腎臓の菌数を測定した。OVA感作マウスと対照群において臓器中の菌数には有意な差はみられなかった。 2. OVA感作マウスにおいて1×10^9CFU/mouseの黄色ブドウ球菌を経気道感染し、感染1日後の肺の菌数を測定した。OVA感作マウスと対照群において臓器中の菌数には有意な差はみられなかった。 3. 正常マウスにおいて黄色ブドウ球菌を静脈内投与し、感染1週間後から6週間後まで血清をサンプリングし、血清中のTotal IgE及び黄色ブドウ球菌特異的IgEを測定した。血清中のTotal IgEは感染2週間後から産生され4から6週間後にその産生量は最大となった。これに対し黄色ブドウ球菌特異的IgEは産生されなかった。 4. 黄色ブドウ球菌免疫マウス血清(黄色ブドウ球菌特異的IgM及びIgGを含む)あるいは正常マウス血清を投与したマウスに×10^7CFU/mouseの黄色ブドウ球菌を静脈内投与し臓器中の菌数を測定したが、両群に有意な差はみられなかった。今後、OVA感作マウスにおける経気道感染と炎症性細胞の関与について検討したい。
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