1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウエルシュ菌α毒素の溶血作用に関連する赤血球内情報伝達系の解析
Project/Area Number |
10770126
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
越智 定幸 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (80268705)
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Keywords | ウエルシュ菌 / ホスフォリパーゼC / 低分子量GTP結合タンパク質 / ホスファナジン酸 / スフィンゴミエリナーゼ |
Research Abstract |
1. α毒素による赤血球膜PA合成亢進に対する低分子Gタンパク質の関係:ウサギ網状赤血球からmRNAを単離し、RT-PCR法によりarf遺伝子とrho-GDI遺伝子の単離し、これら遺伝子を融合タンパク質発現ベクターに押入、大腸菌における発現系を確立した。そこで、これら組換えタンパク質のα毒素によるウサギ赤血球膜PA合成亢進に対する影響を検討した。その粒果、毒素によるPA合成は、組換えarfによっては影響されないが、組換えtho-GDIの濃度に依存して阻害されることが判明した。このことから、α毒素によるウサギ赤血球膜PA合成の亢進に低分子Gタンパク質であるrhoの関与が考えられた。現在、毒素によるウサギ赤血球の溶血に対する組換えrho-GDIの影響を検討中である。さらに、α毒素の溶血とrhoの関係をさらに明らかにするため、網状赤血球からrho遺伝子を単離し、組換えrhoタンパク質の発現系を構築中である。 2. α毒素の溶血作用と赤血球内Ca^<2+>の関係:ウマ赤血球内へ細胞内Ca^<2+>キレート試薬であるBAPTAを取り込ませたBAPTA封入ウマ赤血球を調製し、この赤血球に対するα毒素の溶血活性を調べた。prelimimnaryに、BAPTA封入赤血球に対して本毒素め溶血括性が低下することを見出した。 3. α毒素の溶血活性とウサギ赤血球スフィンゴミエリン代謝の関係:ウサギ赤血球をα毒素処理したとき、毒素量に依存してセラミド生成が亢進することが明らかになった。そこで、α毒素によるウサギ赤血球の溶血とセラミド生成亢進の関係を明らかにするため、大腸菌における組換えセレウス菌スフィンゴミエリナーゼ(SMase)の発現糸を構築した。現在、組換えSMaseの精製を進行中である。
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