1999 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルス制御因子ICP0の機能発現機構の解析
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10770130
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川口 寧 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (60292984)
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Keywords | HSV / ICP0 / 宿主細胞因子 |
Research Abstract |
本研究の目的は単純ヘルペスウイルス(HSV)の制御因子であるICP0の機能発現機構を解析することである。我々は、既にICP0が翻訳因子EF-1δおよび細胞周期制御因子cyclin D3と相互作用することを見出している(J.Virol.71:1019,1997;J.Virol.71:7328,1997)。本年度、Cyclin D3と相互作用するICP0の最小部位を同定したところ、199番目のアスパラギン酸であることが明らかになった。そこに部位特異変異を導入した組み換え変異ウイルスを作製し、その性状を培養細胞レベルおよびマウス動物モデルを用いて解析した。その結果、培養細胞レベルではICP0とcyclin D3の相互作用は細胞周期がG0期で止まった細胞におけるHSVの増殖に役割を果たしていることが明らかになった。また、生体内では、HSVの神経侵襲性および病原性に関与していることが明らかになった。また、酵母を用いたTwo-hybrid screeningによりICP0と相互作用する宿主細胞因子として転写因子MOP3およびペントースリン酸系路の主要酵素であるTransketolaseを同定した。以上の知見は、ICP0が様々な宿主細胞因子と相互作用して多様な細胞機構を制御していることを示唆している。
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[Publications] Kawaguchi Y. et al: "The Cellular elongation factor 1S is moditied in cells infected with representative alphu-beta-gamma herpesvirus"Journal of Virology. 73. 4456-4460 (1999)
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[Publications] Van Sant C., Kawaguchi Y, et al: "A single amino acid substitution in the cyclin D binding domain of the infected cell protein No 0 abrogates the neuroinvasiveness without its ability to replicate"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 96. 8184-8189 (1999)