1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770150
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松井 利仁 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00219370)
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Keywords | 聴力損失 / TTS / 計測器 |
Research Abstract |
本研究では,騒音による聴力損失に関して,内耳有毛細胞の配列とその音への反応や,騒音によって確率的に生じる有毛細胞の障害を数学的にモデル化し,任意の騒音曝露による聴力損失をリアルタイムで表示可能な,聴力損失メータの開発を試みた。本年度は,主として,定常騒音および変動騒音を用いた曝露実験結果を利用して,聴力損失の数学モデルの構築を試みた。 1. 既に報告されているTTSの予測式を利用し,種々の変動騒音について,その予測精度を検証したところ,比較的良い対応の得られることが分かった。この予測式をTTSメータに利用できる可能性を検討したが,リアルタイムでの予測が行えるよう予測式を変形したとしても,長時間での測定には不適当であることが分かった。 2. 内耳有毛細胞の音に対する反応に関して,反応閾値,神経系への出力,細胞数,騒音による損傷の受けやすさ,損傷を受けた際の回復速度,などをパラメータとしてモデル化を行い,複数のモデルを候補として,モデルの妥当性について検討を行った。最終的なモデルの確定とパラメータのチューニングには,さらに検討が必要である。 3. 騒音計とパーソナルコンピュータ間のインターフェースについて,いくつかのソフトウェアおよびハードウェアを比較検討し,適切と思われる方法を選択した。 4. 研究成果の一部を国際学会において発表し,同様なTTSメータの開発を検討している研究者との間で意見の交換を行った。
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