1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770166
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鷲野 嘉映 岐阜大学, 医学部, 助手 (90220855)
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Keywords | 咬合力 / 歯牙年令 / Dental Prescale / 小児 / 学校保健 |
Research Abstract |
本研究の目的は、縦断研究による咬合力、身体組成の変化・関連を検討することにある。本年度においては、横断研究により咬合接触状態と身体組成、生活習慣の関連を検討した。概要:10歳から14歳の小児86人を対象に、Dental Prescaleを用いた咬合力を含めた咬合接触状態、身体形態の各測定を行い、合わせて自言試アンケートにより身体活動性、食物咀嚼能等について調査を行った。検討は、対象者を暦年齢ではなく、Hellmanの咬合発育段階(歯牙年齢)によりIIIB〜IV Aに評価分類し、各群間で測定値を比較した。なお、各歯牙年齢間で男女の割合に有意差がなく、咬合接触状態各値も男女で有意差がなかったので、検討は男女を分けずに行った。結果、身長・体重・脂肪体重・除脂肪体重・握力は歯牙年齢の上昇に従い高値を示したが、体脂肪率には差が認められなかった。咬合接触状態では、歯牙年齢が高いほど咬合モーメント値が大きく、平均咬合圧は歯牙年齢IIICで高かったが、咬合接触面積、咬合力に有意な差は認められなかった。また、身体活動性は歯牙年齢が高いほど低かった。さらに、歯牙年齢IV Aで上下顎の正中線が一致している者の割合が多く、顎関節異常を訴える者は少なかった。食物咀嚼能に各群間で有意な差は認められなかったが、歯牙年齢IIIBで、咀嚼筋活動量が高い食物を噛めない者の割合が多い傾向が認められた。このように、小児は歯牙年齢が高くなるほど、身体的成長とともに、咬合接触状態が良好になる傾向が認められ、咀嚼能が向上していることが示された。特に歯牙年齢IIICからIVAにおいては、口腔学的機能が変化する時期であることが示唆された。小児の口腔健康指導においては、暦年齢とともに、歯牙年齢を考慮した指導が望まれる。また、咀嚼能力の評価におけるDental Prescaleの有用性が考慮される。
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