1998 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶剤(シンナー等)乱用のモデル動物の作成とその特性に関する研究
Project/Area Number |
10770168
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 武彦 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10291973)
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Keywords | 有機溶剤 / シンナー / 薬物乱用 / 動物モデル / 曝露実験 / キシレン / γ-アミノ酪酸受容体 |
Research Abstract |
高濃度の有機溶剤蒸気へ曝露が生体に及ぼす影響を検討するために、再現性が良くかつ定量的な実験が可能な系を開発することが本研究の第一の目標である。そこで、本年度は高濃度のキシレン蒸気が安定して供給される系の作成を行った。当初の計画では臨床医学で用いられる灯芯型の吸入麻酔薬気化器を改造して利用することとしていたが、技術的に困難な面が生じたために計画を変更し、(1)気泡型の気化器を用いる方法、(2)電子噴射装置を用いる方法、の2方式を検討した。その結果、気泡型の気化装置の活用がよりすぐれていたのでこれを採用することにした。また、使用する回路系の再検討をおこなった。このことから、新たに曝露濃度管理に問題が派生したために、当初の計画にあったキシレンガス検知管による間欠的なモニタリングに代えて、測定域が広い可燃ガス用モニターを用いた連続的濃度測定ができるようにした。現在温度補正やガス流量の適正化を図っているが、これらによって安定した実験系が完成する見込みである。また、生体試料から再現性良く凍結切片を採取し、組織化学処理を行うまで保存する環境(極低温保存)を整備した。今後は完成した系を用いて動物に対する曝露実験を急ぎ、生物学的モニタリング方の手法を用いて実験系の有用性を確認することにしている。また、ガスモニターによる連続的濃度測定が可能になったので、回路内に制御装置を挿入し、実験装置の半自動化の可能性を探っている。二年次は、本装置を用いた本実験を逐次遂行する。
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