1998 Fiscal Year Annual Research Report
肥満学生を対象とした生活習慣への介入による無作為割り付け試験
Project/Area Number |
10770172
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 寿一 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10285223)
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Keywords | 肥満 / 学生 / 無作為割り付け試験 / 生活習慣 / 身体活動 / 運動 / 食習慣 / 行動変容 |
Research Abstract |
肥満大学生を対象に生活習慣改善による介入を行う本研究においては、身体活動度の評価には質問票による調査および加速度計を用いた歩数、消費エネルギー調査を、食生活の評価には食習慣質問票による調査および食事記録を行う。その予備調査として、今年度は、身体活動度調査票(PAQ)、食習慣質問票の開発を目的とする研究を行った。PAQの妥当性を検討する際のスタンダードは行動記録および加速度計による調査である。そこでまず、行動記録およびその解析を容易にするために、行動のコード化、さらにコードを入力すると行動の目的別消費エネルギーが自動計算されるコンピューターソフトを開発した。また、食事記録についても同様に、料理のコード化および食事記録入力計算ソフトを開発した。 PAQの妥当性の評価研究のPilot studyを行った。対象は大学生28名(男性16名、女性12名)である。対象者は、PAQに回答した後、平日休日各1日の行動記録を行った。PAQおよび行動記録から各々算出される総消費エネルギー指数の間には有意な正の相関を認めた(r=0.42,p=0.024)。PAQと行動記録から各々算出される目的別消費エネルギー指数間については、睡眠、移動、家事、運動の項目は各々高い相関を示した(r=0.58,0.53,0.48,0.46)が、仕事(アルバイト)の項目では有意な相関は得られなかった。学生に対する質問票では、一般成人に対する質問項目に加えて講義や実習についての質問項目を設定する必要があることが示唆された。 行動記録および食事記録は、コード化して記入する方法により、データの誤分類あるいは誤入力は最小限に抑えられた。また開発されたデータ解析ソフトは、操作が容易で結果がリアルタイムで出力されるため、介入研究における被験者のモチベーションを高めるための道具として有用であろうと考えられた。
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