1998 Fiscal Year Annual Research Report
富栄養湖沼にける“不快昆虫"ユスリカの大発生とその防除対策-音響ライトトラップを用いたユスリカ成虫野外捕獲実験-
Project/Area Number |
10770180
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Research Institution | Yamanashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
平林 公男 山梨県立女子短期大学, 一般教育, 助教授 (20222250)
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Keywords | ユスリカ成虫 / 諏訪湖 / 音響 / 防除対策 / オオユスリカ |
Research Abstract |
(1) 諏訪湖におけるターゲット種の成虫発生予測:湖東岸に設置したライトトラップの調査 結果より、湖沿岸からは18種類のユスリカ成虫が記録され、オオユスリカ,Einfeldia dissidens,アカムシユスリカの3種で、全体の86%を占めていた。オオユスリカは年3回の発生がこれまで知られていたが、年によっては年2回しか発生しないことが明らかとなった。E.dissidensは5-10月の間、継続的に発生しており、はっきりとしたピークは認められないのに対し、アカムシユスリカの場合は10-11月に大量発生のピークを持っていた。 (2) ターゲットとなるユスリカ成虫の羽音の解析:湖から羽化したばかりのオオユスリカの雄、ならびに雌の羽音を実験室内で成虫体を固定して測定した。羽化日数で羽音に若干の違いはあるものの、雄で535.6±35,雌で285.6±39Hzであった。 (3) ターゲット種についての疑似羽音発信テープの作成:オオユスリカ成虫について、雌や雄を誘引する疑似羽音を上記(2)に従ってオシロスコープを用いて作成した。同じ音を間隔無く発信し続けると、誘引される成虫の反応が鈍くなることが明らかとなったので、一定間隔で発信するテープを作成した。 来年度の研究計画:上記で作成したテープを用いて行った予備実験の結果、雄の羽音で雌が、雌の羽音で雄が大量に誘引されることが観察された。来年度はこれをきちんとデータにすることと、誘引源としてこれまで用いられてきた光との組み合わせにより、より効率的な捕獲方法を模索していくことが考えられる。また、他のユスリカ類について、音による反応をオオユスリカ同様に検討していくことも重要な課題の一つである。
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