1998 Fiscal Year Annual Research Report
Complex STR-DNAシステムにおける人種特異的遺伝マーカーの研究
Project/Area Number |
10770186
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 慶太 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00280975)
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Keywords | Complex-STR / STR / Forensic genetics |
Research Abstract |
HGHは日本人とモンゴル人,D21S11は日本人と中国人,D21S11は日本人,中国人,モンゴル人,Caucasianを対象にPCR法による多型領域の増幅を行い,電気泳動分離後,増幅バンドの検出を行った.続いて各々のバンドを対象にシークエンス解析を施したところ,各人種における多型領域の基本塩基配列が判明した.日本人及びモンゴル人おけるHGH対立遺伝子は,共通して3'末の(AAAG)のユニットにpoint mutationが認められ,(AAAG)ACAA(AG)(AAAG)(AG)(AAAG)(AAGG)(AAAG)となっている事が確証された.これは報告では認められず,現在,Caucasian試料を用いて解析中である.日本人及び中国人のHumD21S11対立遺伝子においてはこれまでの報告にない219bp(28.2型),223bp(29.2型),241bp(34型)である事が確認された.この結果から,日本人及び中国人においてCaucasianと対応しない7種類の対立遺伝子が発見された.D11S488においては報告されているBrowneのデータでは(AAAG)n(GAAG)nGAAAG(GAAG)_7GAAAG(GAAG)_<4-5>G(AAAG)_2GAAAG(GAAG)_<6-7>GAAAG(AAAG)_<2-3>を基本としているが,日本人およびモンゴル人においてGAAAG(GAAG)7ユニットは共通して確認されず,(AAAG)n(GAAG)nGAAAG(GAAG)_<4-5>G(AAAG)_2GAAAG(GAAAG)_<6-7>GAAAG(AAAG)_<2-3>を基本とする繰り返し配列を示していた.叉その他でも日本人とモンゴル人で欠失しているGAAAG(GAAG)ユニットが存在していることを確認できた.一方,GAAAG(GAAG)ユニットが認められるものが存在したが,(GAAG)部の繰り返し数は報告されている7回に限定されなかった.
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