1999 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゾジアゼピン系向精神薬の高速液体クロマトグラフィー/質量分析法
Project/Area Number |
10770189
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
妹尾 洋 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50236113)
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Keywords | ベンゾジアゼピン / 固相抽出法 / HPLC / MS / タンデム質量分析 / トリアゾラム |
Research Abstract |
平成10年度の結果を踏まえ、平成11年度はベンゾジアゼピン系向精神薬及びその代謝物の生体試料から抽出し、高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(HPLC/MS/MS)による検出同定を行った。 1)抽出法:ヒト血液及び尿からの固相抽出法及び固相ミクロ抽出法につき検討を行ったところPresep-C C_<18>カートリッジを用いた固相抽出法が最も有効であった。すなわち、各薬剤とそれらの代謝物の回収率は60%以上程度と満足できる値で、夾雑物も少なく、抽出時間も1検体あたり30分以内程度と短時間で可能であり、Presep-C C_<18>による抽出がベンゾジアゼピン系向精神薬とその代謝物の一斉分析には最も簡便で迅速な抽出法であることが判明した。 2)検出同定:各種濃度のベンゾジアゼピン系向精神薬とその代謝物を上記の固相抽出法によりヒト血液及び尿から抽出し、平成10年度の研究で設定したHPLC/MS/MSの条件下で検量線を作成し、検出限界を求めた。トリアゾラム服用中の不眠症患者からインフォームドコンセントを得ることができたため、トリアゾラムとその代謝物であるα-OHトリアゾラム及び4-OHトリアゾラムの検出同定を試みた。 トリアゾラムと2種の代謝物に関する検量線は、血液、尿共に0.5-3ng/mlの範囲で直線性を示し、その検出限界は0.1-0.2ng/mlで、トリアゾラム0.25mg服用10時間後に採取した血液及び尿からの同定が可能であった。 3)現在これらの結果をまとめ、専門雑誌に投稿準備中である。
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