1998 Fiscal Year Annual Research Report
PNAをプローブとした磁気ビーズによる特定DNA抽出法と高感度DNA分析法の開発
Project/Area Number |
10770190
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
中西 祥徳 高知医科大学, 医学部, 助手 (10217763)
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Keywords | MCT118(D1S80) / PNA / 磁気ビーズ |
Research Abstract |
MCT118(D1S80)部位の繰り返し配列の一部(配列1:CTT TCC GGT GGT CCT C)に相当するビオチン化PNA(PNA-1)を外注により作製した。DNAの捕捉効率を向上させるために配列1の相補鎖の合成も検討したが、G含有率が高いためPNA合成が不可能であった。 まず、合成したPNA-1がMCT118部位の配列1にアニールするか否かを検討した。血液からフェノール/クロロホルム抽出して得られたDNA(50ng)にPNA-1(50ng)を加え、MCT118部位検出のためのPCRを行った。その結果、PNA-1を加えたもののみでPCR産物が得られなかった。このことは、PNA-1がMCT118部位の一部にアニールしたため正常なPCRが阻害されたものと判断した。次に、MCT118部位をPNA-1および磁気ビーズで捕捉可能か否かを検討した。MCT118部位(T24/31型)のPCR産物(20μl)にPNA-1(1μg)を加え、95℃ 1分間、65℃1分間のサイクルを10回行った後、ストレプトアビジンコート磁気ビーズ(20μl)を加え室温で3時間反応し、マグネットにより磁気ビーズを回収した。回収されたビーズをTris-HClバッファー(pH 8.0)で3回洗浄後、95℃でPNAとDNAを解離させ、解離したDNAをTEバッファー10μl溶解し、ポリアクリルアミド電気泳動した。その結果、PNA/磁気ビーズ処理後のものはT31 alleleのバンドが殆ど認められず、T24 alleleのバンド強度も未処理のものに比して著しく弱く、PNA/磁気ビーズによる捕捉が不十分であると思われた。配列1の相補鎖のPNAを合成できなかったため、捕捉の効率が悪かったものと思われるが、現在、反応系の各条件の検討およびMCT118部位の繰り返し配列の別の部位のPNA合成を検討している。
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