1998 Fiscal Year Annual Research Report
難消化性澱粉の大腸癌抑制効果の有無に関する疫学的検討
Project/Area Number |
10770220
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
坂本 十一 弘前大学, 医学部, 助手 (20292146)
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Keywords | 大腸癌 / Colon cancer / 難消化性澱粉 / Resistant Starch / 食物繊維 / 疫学 / epidemiology |
Research Abstract |
以前、我々はラット実験大腸癌モデルを用いた実験を行ったところ、代表的な食物繊維であるセルロースには大腸癌抑制効果を認めたが、難消化性澱粉には大腸癌抑制効果は無いという結果を得た.しかし、これはあくまでも動物実験でありその真偽に関しては不明である.また、疫学的なデータでは,食物繊維摂取量と大腸癌罹患率の関係を論じたものは数多くあり、食物繊維の大腸癌抑制効果を示唆するものが多い.しかし、難消化性澱粉摂取量と大腸癌罹患率との関係を疫学的に論じたものは検索した限りてはなく,本研究にとりかかることとなった.疫学的な検討は本県のみならず、可能であれば国民栄養調査のデータに基づき全国的に行うことも考えている. 大腸癌罹患率に関しては、1991年まての罹患率は青森県内124病院のうち診療科として内科もしくは外科を持つ103病院の協力のもとで大腸癌症例の情報を得、他の小施設に対してはアンヶ一ト調査を行って得たデータを用い、1992年以降の罹患率は青森県で行っている癌登録のデータを用いることとした. 難消化性澱粉に関しては、1996年に我々が行った青森県各地域での食事調査および国民栄養調査からまず各食品群別の摂取量を求め、さらに各食品群別の難消化性澱粉含有量の測定を行い、一人当たりの難消化性澱粉摂取量を算出する予定である. しかし、各食品群別の難消化性澱粉含有量の測定法は未だ確立されているとはいえず、今後は、難消化性澱粉の研究では著名なH.N.Englyst氏と共同で測定法に関する研究を進めていく予定である.
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