1998 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母を用いたヒトAPC遺伝子不活性化機構の解明
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10770221
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴夫 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90292276)
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Keywords | APC遺伝子 / 大腸腺腫 |
Research Abstract |
本年度は、多発性大腸腺腫の腺腫サンプルと正常組織の収集を行ない、10名の患者に対して、少なくとも部位の異なる少なくとも4個以上の腺腫をサンプリングし、DNAの抽出を行った。SC assay^*(ProNAS 94,2449-2453,1997)にて特にAPC遺伝子のExon15のmutation cluster region(MCR)を含む領域を中心にスクリーニングを施行した。本研究の主目的であるグノムDNAの構造変化に伴う複製のエラーを伴うようなpolymorphic mutaion(遺伝子多型性変異)は、理論的にはSC assayにより検出可能であるが、今回スクリーニングした症例においては、正常組織(末梢血リンパ球を含む)よりのAPC不活性化を引き起こす遺伝子多型性変異を検出する事は出来なかった。これに関しては、今後更に症例を追加して検討する予定である。しかしながら、SC assayを行った結果、病理組織学的に腺腫と同定されたほとんどのサンプルでAPC遺伝子異常が検出され、又異型を伴った過形成性ポリーブと病理診断された一部からAPC遺伝子異常が検出された(消化器内視鏡学会発表予定)。検出されたAPC遺伝子異常が本当にタンパク切断型変異を伴うかどうかを調べるために、ヒトへマグルチニンのエピトーブを付加して融合タンパクを酵母内で生合成させウエスタンブロッティングを行った結果、検出されたすべてのサンプルの遺伝子解析の結果、タンパク切断型変異を伴う、insertion,deletion,flameshift変異が検出され、論文として発表した(Genes Chromosome & Cancer 21,290-297,1998)。
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Research Products
(1 results)