1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト大腸腫瘍性病変の立体構造と粘膜固有層マクロファージに関する検討
Project/Area Number |
10770222
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
長嶋 隆一 山形大学, 医学部, 助手 (50282231)
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Keywords | 大腸腫瘍 / 粘膜固有層マクロファージ / 免疫染色 |
Research Abstract |
目的と背景 以前より、大腸腫瘍性病変の周囲にしばしば多数の粘膜固有層マクロファージ(LPM)が集簇することが知られていたが、病変の周囲にのみ集積する理由は不明であった。我々は、"腫瘍化による立体構造の変化により、腫瘍内外の粘膜固有層が立体的に連絡を持たなくなるためマクロファージが腫瘍内に遊走できず腫瘍周囲に集簇が起こる。"という仮説を立て、検証を行っている。 本年度の実績 大腸腺腫、腺癌、過形成性ポリープのそれぞれ20病変に対しヘマトキシリン・エオジン染色と免疫組織染色を行い、粘膜固有層マクロファージの分布につき検討した。非腫瘍性隆起病変である過形成性ポリープでは隆起病変内部にもLPMが局在するが、腺腫、腺癌等の腫瘍性疾患では腫瘍内部にLPMの増加はみられず、病変の周囲にのみ多数のLPMが存在していることが判明した。この現象は内視鏡画像の検討でも確認され、両病変の鑑別上有用な指標の一つと思われた。 次年度の予定 さらに症例を集積し、次年度は本検討の主目的である立体構造の解析を行う予定である。さらに、症例の集積を待って、sellated adenomaに対する検討も行いたい。
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