1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変及び肝細胞癌におけるDNAミスマッチ修復遺伝子及び癌抑制遺伝子異常の解析
Project/Area Number |
10770223
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
斉藤 孝治 山形大学, 医学部, 助手 (90250919)
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Keywords | 肝細胞癌 / p53 / DNAミスマッチ修復遺伝子 / hMSH2 / hMLH1 |
Research Abstract |
肝発癌過程における遺伝子変化は今なお不明であるが、これまでの解析結果から、DNAミスマッチ修復遺伝子の異常にもとずく遺伝子不安定化及び癌抑制遺伝子の不活化が、肝の多段階発癌及びclonal expansionに関与していることが推定される(Hepatology;28:90-97)。肝多段階発癌におけるDNAミスマッチ修復系の異常と癌抑制遺伝子の不活化の関与を明らかにするため,硬変肝及び肝癌組織のDNAミスマッチ修復遺伝子(hMSH2,hMLH1,hMSH3,hMSH6,)及び癌抑制遺伝子(p53,pl6/INK4A,p73)の解析を行なっていますが,1)エコー下生検および手術標本のホルマリン固定・パラフィン切片より、実体顕微鏡下に非腫瘍組織(門脈域、再生結節)、前癌病変(腺腫様過形成)、及び肝細胞癌(高分化、中分化、低分化)の各部位から、Microdissection法、GeneReleaser、及びProteinase Kを用いて、DNAを抽出。2)マイクロサテライトマーカー等を用いてPCRを行い、 DNAミスマッチ修復遺伝子(hMSH2,hMLH1,hMSH3,hMSH6,)及び癌抑制遺伝子(p53,p16/INK4A,p73)のLoss of heterozygosity,Homozygous deletion及びMicrosatellite instabilityの検討。3)モノクローナル抗体を用いた免疫染色にて、各遺伝子蛋白の発現の異常の有無を病理組織学的に検討していますが,これまでの結果では,p53遺伝子の異常を伴った肝細胞癌は40%前後に認められ,さらにDNAミスマッチ修復遺伝子に異常を認めるものは,遺伝子不安定性が増強している傾向がみられます.
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