1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770240
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坂口 浩樹 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40271184)
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Keywords | 肝細胞癌 / 組織学 / 炭酸ガス / 画像診断 / マイクロ波 / 腹腔鏡 / 化学療法 |
Research Abstract |
我々は,20例,29結節の肝腫瘍に対して,経皮経肝的に21ゲージPTC針を肝内門脈枝に刺入し,炭酸ガスを注入することにより,肝腫瘍への門脈血流の有無を評価した.この結果,13結節は門脈血流陽性であり,この中で5結節は腫瘍生検の結果肝細胞癌であったが,他の8結節中3結節は境界病変であり5結節は再生結節と考えられた.門脈血流陰性であった16結節は,生検の結果全て肝細胞癌であった.この結果をまとめて,Hepatogastroenterologyに投稿し,acceptされた(in press).この研究は,肝細胞癌の悪性度評価に門脈血流の有無が重要な因子として関わってくるかどうかを評価するための方法として,今後有用になると考えられ,その基盤となる結果が得られたと考えられる.また,肝細胞癌の治療に関しては,腹腔鏡下マイクロ波凝固療法の症例を重ねるとともに,マイクロ波を用いて腹腔鏡下に肝細胞癌を部分切除する方法に関して2例の報告を行った(H.Sakaguchi,et al: Treatment of two cases with hepatocellular carcinoma bylaparoscopic partial hepatectomy.J Microwave Surg 16:113-116,1998).この腹腔鏡下マイクロ波凝固療法と肝切除術は,従来の内科的治療の枠を越えた,内科医が行う外科的治療と考えられるが,その成績は従来の内科的治療より良好で,肝機能に及ぼす影響も少なく,今後ますますの発展が期待される.実績としては以上であるが,現在悪性度評価に結びつくような種々の組織学的特徴および画像診断上の特徴を研究し,また内科的治療法の組み合わせについても種々検討している.特に,高悪性度を有すると臨床的に考えられる門脈腫瘍栓を有する症例に関しては,強力な化学療法を併用した局所療法について臨床的に研究し,一定の成績があがってきている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Sakaguchi,et al.: "Treatment of hepatocellular carcinoma under laparoscopy." Hepatology. 28. 247A (1998)
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[Publications] H.Sakaguchi,et al.: "Treatment of two cases with hepatocellular carcinoma by laparoscopic partial hepatectomy." J Microwave Surg. 16. 113-116 (1998)
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[Publications] H.Sakaguchi,et al.: "Ultrasonographic evaluation of portal blood flow using transhepatic carbon dioxide injection." Hepatogastroenterology. (in press).