1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770241
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石野 祐三子 自治医科大学, 医学部, 助手 (80275685)
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Keywords | 内視鏡 / 再生 / 高水準消毒 / 洗浄 / アミドブラック |
Research Abstract |
上部消化管内視鏡の内部には3チャンネル、すなわち、鉗子チャンネル、送水チャンネル、送気チャンネルが存在する。それら全てのチャンネルは検査中、患者の体液や分泌物に接触しており、検査後、十分な洗滌と高水準の消毒を施さなければ感染源となりうる。今回、全チャンネルについてブラッシング洗滌が可能な内視鏡(ペンタックス社製EG-2940)を用い、ブラッシング洗滌の効果を検討した。検査使用後の内視鏡を2群、すなわち全チャンネルについてブラッシング洗滌を行った群(A群)と行わなかった群(B群)に分け、両群とも自動内視鏡洗浄機により洗滌・消毒を行った(消毒薬は2%グルタールアルデヒド。消毒時間は20分)。その後、各チャンネル内の汚染について細菌学的検討と、アミドブラック10B色素による残留蛋白質の定量を行った。残留蛋白量は、牛血清アルブミン換算値として測定し、2群間で比較検討した。細菌学的検討においては、A群ではいずれのチャンネル内からも細菌は検出されなかった(n=18)。一方、B群においては、送気チャンネル、送水チャンネル内からは細菌は検出されなかった(0/18)が、鉗子チャンネル内より細菌が検出された(1/18)。また、送水チャンネル内の残留蛋白質量は、A群2.25±0.318μg.B群3.52±0.405μgであり、B群は有意にA群より高値であった(p<0.05)。また、送気チャンネル内では、A群2.13±0.201μg、B群 3.31±0350μgであり、B群は有意にA群より高値であった(p<0.05)。更に、鉗子チャンネル内においてもA群6.64±0.437μg、B群12.6±1.02μgであり、B群は有意にA群より高値であった(p<0.01)。チャンネル内の残留蛋白質はバイオフィルムを形成する恐れがあり、感染源となりうるため、内視鏡の十分な洗滌にはブラッシングは必須である。
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