1998 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝疾患の肝内浸潤Va24陽性JaQ陽性陰性T細胞の臨床的意義
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10770252
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
奥秋 靖 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70233450)
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Keywords | 自己免疫性肝疾 / 原発性胆汁性肝硬変 / Va24陽性細胞 |
Research Abstract |
自己免疫性肝疾患の肝内浸潤Vα24腸性JαQ陽性、陰性T細胞の臨床的意義を明らかにすることが、本研究の目的である。本年度は以下の検討を行った。なお、当科入院中に診断、治療方針決定のために施行した肝生検時に採取した生検肝組織の一部を研究材料に用いた。この際、肝生検施行前に患者さんに研究の目的、採取した組織の一部を研究材料に用いることを丁寧に説明し、患者さん本人から承諾を得た上で実施した。 1. 各種肝疾患における肝内浸潤Vα24陽性JαQ、陰性T細胞遺伝子の発現 AIH、PBC、慢性C型肝炎の生検肝組織より抽出したRNA 1μgを用いて肝を施行しcDNAを合成後、Vα24特異的センス、Cα特異的アンチセンスプライマーを用い35サイクルのPCRを施行、ポリアクリルアミド電気泳動にてVα24遺伝子断片を検出した。さらにPCR産物10μlを用いVα24特異的センス、JαQ特異的アンチセンスプライマーを用いた30サイクルのPCRを施行、Vα24-JαQ遺伝子断片を検出した。その結果、肝内のVα24-JαQ遺伝子はPBC、CHCでほぼ全例で検出されたのに対し、AIHでは50%でしか検出されなかった。非検出例は検出例に比し組織学的活動性が著明でALT値も高値を示し、PSLが著効したことから、AIHの発症進展に肝内Vα24-JαQ陽性T細胞の発現低下が関与する可能性が示唆された。
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