1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770279
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
合原 るみ 久留米大学, 医学部, 助手 (00289399)
|
Keywords | 肺癌 / 腫瘍拒絶抗原 / リコンピナントタンパク抗原 / モノクローナル抗体 / ウエスタンブロット / SART1 |
Research Abstract |
[A]抗体の作製:SART-1遺伝子をGST遺伝子とフレームを合わせて発現ベクターに組み込み、大腸菌で融合タンパクを作らせ、精製したものを抗原として用いた。ウサギに対する侵襲をできる限り少なくすいるため、可溶性のGerubu ajubantを用いて、1-2週間おきに合計6回以上、ウサギ皮下に注射した。抗体の特異性は、ウエスタンブロットで確認した。 同様に免疫したマウス牌臓細胞と、マウス白血病細胞株、NSlとの融合させ、リコンビナント抗原を用いたELISAによりスクリーニングを行なったところ、8種類GSTと反応せずSART1/GST融合タンパクと反応する抗体産生クローンが得られた。しかし、ウエスタンプロットで確認したところ、いずれも検出できなかった。SDS変性抗原との反応性が弱い可能性も考えられたことから、免疫沈降法でも検討したが検出できなかった。現在、再度パイブリドーマ作製を行っているところである。 [B]患者癌組織の抗原の同定:モノクローナル抗体が未だ作製できていないため、以下の実験はウサギ抗血清を用いて行った。患者癌手術標本を入手し、組織の病理診断を行い、組織型および進行度を決定した。約50mgに細切分注し、超低温漕に保管した。一部の組織切片を、蛋白分解酵素阻害剤を加え、組織を超音波処理によりタンパク質溶液を調整し、SDS-PAGE後、ウエスタンブロットを行い、目的タンパクの解析を行った。SART1遺伝子は、125kd 43kdの2種類のタンパク質をコードするらしいことが示唆されているが、このうち癌に特異的に発現されると考えられ、拒絶抗原ペプチドの主供給源と考えられているSART1_<259>は、アデノカルチノーマ35例中16例(47%)、扁平上皮癌17例中8例(47%)が陽性だった。この事から、非小細胞性肺癌はSARTlのワクチン療法の適用の候補になり得ると考えられた。
|