1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770279
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
合原 るみ 久留米大学, 医学部, 助手 (00289399)
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Keywords | 肺腺癌 / 肺扁平上皮癌 / 癌拒絶抗原 / ペプチド / ウエスタンブロット / 免疫沈降法 |
Research Abstract |
1。抗体の作製:アフィニティー精製SART-1_<800>/GSTまたはSART-1_<259>/GSTコンビナント融合タンパクをそれぞれウサギ皮下に注射し、抗血清を作製した。同様に免疫したマウス脾臓細胞とマウス白血病細胞株(NS1)を融合させ、ELISAによりスクリーニングを行なったところ、8種類GSTと反応せずSART-1/GST融合タンパクと反応する抗体産生クローンが得られた。しかし、ウエスタンブロットではいずれも検出できなかった。SDS変性抗原との反応性が弱い可能性も考えられたことから、免疫沈降法でも検討したが検出できなかった。SART-1_<800>タンパク質のアミノ酸配列が、ヒトとマウスで95%と非常に相同性が高いことによると考えられた。 2。患者癌組織の抗原の同定:患者癌手術標本を入手し、組織の病理診断を行い、組織型および進行度を決定した。約50mg(湿重量)に細切分注し、超低温漕に保管した。SART-1_<259>の発現はウサギ抗血清を用いたウエスタンブロットで解析した。SART-1_<259>は癌に特異的に発現され、拒絶抗原ペプチドの主供給源と考えられており、アデノカルチノーマ30例中14例(47%)、扁平上皮癌19例中13例(68%)が陽性だった。また、ステージ別ではSART-1_<259>陽性例27例中ステージII以上が16例(59%)に対し、SART-1_<259>陰性例では24例中7例(29%)であった。扁平上皮癌におけるステージII以上の割合は、13例のSART-1_<259>陽性者のうち9例(69%)に対し、16例のSART-1_<259>陰性者では1例(17%)であった。この事から、非小細胞性肺癌でのSART-1_<259>の発現はステージの高いものほど高いことが示唆され、ワクチン療法の適用の候補になり得ると考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Matsunaga K,: "Cytokines required for induction of histocompatibility leukocyte antigen-class I-restricted and tumor-specific cytotoxic Tlymphocytes by a SART1-derived peptide."Jpn.J.Cancer Res.,. 90. 1007-1015 (1999)