1998 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の視床淡蒼球手術が電気生理学的パラメーターに及ぼす効果
Project/Area Number |
10770285
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 正久 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70272846)
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Keywords | パーキンソン病 / 運動障害 / 視床淡蒼球手術 / 磁気刺激 / 長潜時反射 |
Research Abstract |
パーキンソン病における運動障害の病態生理について明らかにするために、片側に症状の強いパーキンソン病患者で視床あるいは淡蒼球手術を予定されているものに、経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位(MEP)の閾値、刺激反応曲線を記録し磁気2重刺激を行って興奮性の程度を調べた。また両側の長潜時反射を記録し、パーキンソン病で亢進しているとされる長潜時反応を両側で比較した。対象はインフォームドコンセントを得た男性1名女性2名、平均年齢62才であった。磁気刺激はマグスティム社製のMagstim200を用いた。被験者を安楽椅子に腰掛けた状態で安静とし、症状の強い側(病側)と弱い側(健側)でMEPの閾値、刺激に対する反応を調べた。記録は両側の短栂指外転筋に表面電極を装着し、信号は増幅された後、ADコンバーターを介してコンピュータに保存された。閾値は両側とも50-55%にあり、変化はなかったが、刺激の強度を上げていくと病側でより大きい反応が見られる傾向があった。2重刺激においては先行刺激(条件刺激、Cと略記)をMEP閾値下の強さとし、試験刺激(Tと略記)を約1mV程度になるように行い、2発目のMEPの変化を観察した。正常では病側でC-T間隔が5msまでは抑制される傾向があるが、これらの患者では抑制はほとんど見られなかった。長潜時反射は電気刺激、機械的な筋伸張によって誘発しうるが、今年度は電気刺激のみで行った。被験者に短栂指外転筋を最大収縮時の10-30%の筋電図量を得る強さで持続収縮させ、正中神経を手関節部で刺激閾値の1.1-1.3倍の強度で約200回ずつランダムな間隔で刺激した。記録は刺激前の50ms刺激後の250ms行い、振戦の混在している施行を除く最低120回を加算平均し、整流した。筋電図量は刺激前に対する変化量で比較した。長潜時反射は病側で大きい傾向はあったが有意な差は認められなかった。
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