1998 Fiscal Year Annual Research Report
重症筋無力症胸腺におけるリンパ球の再循環・活性化機構について
Project/Area Number |
10770290
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
槍沢 公明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00244913)
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Keywords | 重症筋無力症 / 胸腺 / CD44 / 再循環 / IL-2 / B7 |
Research Abstract |
重症筋無力症(MG)における抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体の産生はAChR特異的T細胞に依存して行われている。しかしAChR特異的T細胞は健常人からも検出される場合がある。MGの発病に重要なのはAChR特異的T細胞がどこで、どの様に活性化を受けるかにある。われわれは、リンパ球がリンパ組織に侵入する際のhoming receptorで、かつ成人ではmemory T cellに強く発現されているCD44に注目し、末梢血の成熟リンパ球が胸腺内に再循環し活性化を受ける様式について組織学的に検討している。 1) MG過形成胸腺におけるCD44強陽性細胞の発現増加について。 これまでの検討で、CD44強陽性細胞はMG過形成胸腺で発現が著しく亢進していること、基底膜形成の不連続な結合織小血管から遊出し基底膜の不連続な部分から胸腺小葉に侵入していることを指摘した。また基底膜の欠損部位付近では,ヒアルロン酸,ウロキナーゼ(uPA)など血管新生,基底膜消化に関与する因子の発現が亢進していた。 CD44強陽性細胞は、CD45ROを同時に発現している点、CD44発現がより強い点で正常胸腺髄質のCD44陽性細胞とは異なる一群であることを直接蛍光抗体法と高感度CCDカメラ付き画像解析装置により検討中である。 2) CD44強陽性細胞に活性化刺激を与える因子について。 MG過形成胸腺におけるIL-2,B7-1陽性細胞とCD44強陽性細胞のco-localizationを直接蛍光抗体法による二重染色と高感度CCDカメラ付き画像解析装置により検討中である。
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