1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770298
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
川上 康彦 日本医科大学, 医学部, 助手 (80234029)
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Keywords | 細菌性髄膜炎 / 熱性けいれん / 髄液 / ネオプテリン / interferon-γ(IFN-γ) / tumor necrosis factor-α(TNF-α) / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は小児期細菌性髄膜炎患者において髄液中ネオプテリン値およびinterferon-γ(IFN-γ),tumor necrosis factor-α(TNF-α)が上昇することをすでに報告しているが、今回の研究では、両親に説明し同意を得て、臨床的適応により髄液採取を実施したが細胞数が上昇していなかった髄液を免疫学的に解析し、熱性けいれん児における髄液中ネオプテリンおよびIFN-γは、発熱のみの児、または、けいれんのみの児の髄液と比較して高値であることを証明した(TNF-αは差がなかった)。小児期における熱性けいれんの発生機序は現在のところ不明であるが、この結果から、熱性けいれんの発生には免疫学的因子が関与していることが示唆された。 なお、当初は、細菌性髄膜炎における髄液中細胞がネオプテリン、IFN-γおよびTNF-αの作用によりアポトーシスを来して減少していくことを示す予定であったが、当施設及び関連各病院において、今年度一年間には細菌性髄膜炎の発生が一名も無かったので検体(髄液)を収集することができなかった。来年度は、引き続き患者の発生を待待って検体を採取し、上記仮説を証明するとともに、細菌性髄膜炎モデル動物によるシュミレーションを実施し、初期の目的を達成する予定である。
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