1999 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧発症・進展時における情報伝達異常:新たな情報伝達制御因子RGSproteinsの関与についての検討
Project/Area Number |
10770301
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐藤 元彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40292122)
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Keywords | 細胞名情報伝達 / 高血圧 / RGS protein / SHR |
Research Abstract |
高血圧発症前(6週令)および発症後(14週令)の高血圧自然発症ラット(SHR)およびその正常対照群であるWKYラットより、脳、心臓、肝臓、腎臓、骨格筋を摘出し各組織よりtotal RNAを抽出した。Total RNAはDnase処理を行い十分純度が高かったのでこれをテンプレートにreverse transcriptaseによりcDNAを作成した。Chatterjeeら(J.Biol.Chem.1997;272:15481)の方法に準じてPCRのprimerはfull sequence増幅用にヌクレオチド1-24、1564-1590に相応して作成した。truncated formのRGS3検出用にヌクレオチド937-965に対するprimerを作成し先のprimer(1564-1590)と組み合わせて3'側の増幅を行った。truncated formのRGS3は5'側が欠損しているため、full sequence用のprimerでは増幅されずより3'側に設定されたtruncated form用のprimerによってのみ増幅される。それぞれの組織でRGS3側の発現をfull sequence、truncated formで検討したところSHR、WKYの各組織ではtruncated formのRGS3が発現されていることが確認された。一方、full sequence RGS3の発現は確認できなかった。SHR、WKY間でRGS3の発現をGAPDHに対する比で検討したが、明らかな差はみられなかった。同様の検討をRGS4について行ったが増幅効率が悪く一定した結果を得られなかった。また、SHRの高血圧発症前後においてRGS3の発現にも明らかな変化は確認できなかった。ACE阻害薬の投与もRGS3の発現に明らかな変化をもたらさなかった。RGS3の発現は厳格に保持されているものと思われた。
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