1998 Fiscal Year Annual Research Report
陰性変時作用を持つ新しいカルシウムセンシタイザーEGIS-9377の生理学的特性
Project/Area Number |
10770307
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
毛利 聡 岡山大学, 医学部, 助手 (00294413)
|
Keywords | カルシウム感受性増強薬 / EGIS-9377 / 心理学的作用 / 統合生理学的知見 |
Research Abstract |
現在カルシウム感受性増強薬EGIS-9377の心力学的作用についてイヌ交叉灌流摘出心標本にてEmax、PVA-Vo_2関係のフレームワークによる評価を進めている。心筋の張力は心筋細胞内カルシウム濃度を反映して発生するが、本薬剤は私の用いている標本でもEmaxを指標とする心収縮性を増加させる事を確認した。同時に冠動脈に対する拡張作用を有することが判明したため、冠動脈血流増加に伴う収縮性増強(Gregg効果)を除外するために冠動脈血流量を一定にして収縮性の変化を調べた。これまでの知見では心収縮性増強はGregg効果のみでなくカルシウム感受性増強作用をさめた要素によることを確認した。EGIS-9377投与中の一心拍の総機械的エネルギーPVAと、それに用いられる心筋酸素消費量であるPVA依存性Vo_2との関係は左心室容積に変化によるPVAの増加に対し、PVA依存性Vo_2は正比例の関係を示した。Emaxの増加に伴いPVA非依存性酸素消費量は増加したが、これらの結果はこれまでのカルシウム感受性増強薬と同様であった。今後はカテコラミンやカルシウムなと作用の異なる陽性変力作用を持つ薬剤との比較を行う予定である。また高容量では除神経された心標本の心拍数を減少させるため、活動電位持続時間の変化やカリウムチャネルの挙動についても心筋細胞レベルでの研究成果も待たれるが、当教室が取り組んでいる心筋細胞内カルシウム動態についてのマクロレベルからのアプローチでもカルシウム感受性増強薬に対する新しい統合生理学的知見が得られるものと考える。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Shimizu J, Araki J, Mizuno J, Lee S,Syuu Y, Hosogi S, Mohri S, Mikane T, Takaki M, Taylor TW, Suga H: "A new integrative method to quantify total Ca^<2+> handling and futile Ca^<2+> cycling in failing hearts." Am J Physiol. 275. H2325-H2333 (1998)
-
[Publications] Suzuki S, Araki J, Morita T, Mohri S, Mikane T, Yamaguchi H, Sano S, Ohe T, Hirakawa M, Suga H: "Ventricular contractility in atrial fibrillation predictable by mechanical restitution and potentiation." Am J Physiol. 275. H1513-H1519 (1998)