1998 Fiscal Year Annual Research Report
Ca^<2+>感受性変化による加齢ラット心筋の再灌流傷害の変化
Project/Area Number |
10770318
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長谷川 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00237984)
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Keywords | 加齢 / Ca^<2+>感受性 / 再灌流傷害 / BDM / Ca^<2+>de-sensitizer |
Research Abstract |
実験計画に述べたように、心筋細胞のCa2+感受性に対する変化を経時的に研究した報告は現在までに無く、また虚血再灌流後のCa2+感受性についても以前に報告も無い。我々は、本年度においてこの加齢における心筋細胞のCa2+感受性の変化の基礎実験として、12週齢(幼年)、24週齢(成年)のF-344ラットを用い、以前に検討したCa2+イオンde-sensitizerであるBDMを心筋虚血・再灌流モデルに用い、再灌流後の左室圧、心筋代謝産物、45Ca2+取り込み量を比較した。結果として、BDM投与に関し、虚血前投与にて12週齢、24週齢とも左室圧、心筋代謝産物の回復の改善が見られた。またこの2群間において統計学的な有意差こそ出なかったものの、左室収縮期の回復率で12週齢が70%に対し24週齢は63%とやや低下傾向を示した。心筋代謝産物(ATP,CP,Lactate)に関しては両者に大きな変化は見られなかった。45Ca2+の取り込み率に関しては薬剤非投与群において両者に有意差はなかったものの、BDM投与において12週齢の方が取り込み率の低下が顕著であった。また今回幸運なことに来年度予定であった50週齢が4匹入手できたため、同様のプロトコールにて実験を行ったところ左室機能の回復は低下したものの、心筋代謝産物や45Ca2+の取り込み率に関し、低下傾向がにられなかった。但し匹数が極めて少ないため、今後来年度に50週齢、100週齢を20匹ずつ用い実験結果をまとめる必要がある。また再灌流中のある時期においてはmyofilamentのCa2+感受性が低くなっているとの報告もあるため、今後はCa2+イオンsensitizerであるpimobendanを用いた実験も検討していく予定である。
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