1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770324
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
加藤 洋一 順天堂大学, 医学部, 助手 (00231259)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / 転写因子 / ミオシン重鎖プロモーター |
Research Abstract |
冠血管インターベンション後に再狭窄を引き起こす機序として、血管平滑筋細胞の遊走・増殖による内膜肥厚のメカニズムが重視されている。組織特異的プロモーター/エンハンサーを用いた特定の組織を遺伝子治療する方法が期待されているが、未だ平滑筋特異的プロモーターで確立されているものはない。我々がクローニングした平滑筋ミオシン重鎖(SM-MHC)遺伝子プロモーター(Katoh et al.,J Biol Chem 269:30538-30545,1994)は、少なくともin vitroの実験系では平滑筋特異的であることが示され、他施設での追試にても同様の臓器特異性が示されている。本研究では、SM-MHC遺伝子の平滑筋細胞特異性を保つ最小の領域をnarrow downし、その領域に結合する平滑筋細胞特異的転写因子のクローニングを試みた。まず、SM-MHC遺伝子の約18kbの1st Intronの中の5'側710bpのfragment中に平滑筋特異性を保つ領域ガ存在することをつきとめ、その領域の全塩基配列を決定した。塩基配列中には、三つのGATA siteをはじめ、いくつかのputative cis-trans elementが存在した。そのfragmentと平滑筋細胞より得た核抽出液を用いて、DNaseI footprintingを行ったところ上記のGATA siteの他にA/T-richなprotein binding siteが確認された。その塩基配列を用いてgel mobolity shift assayを行い、平滑筋細胞核抽出液中のprotein binding affinityを再確認したところ、このA/T-rich siteには複数の蛋白が結合する可能性が示唆された。現在その特異的塩基配列を用いたone hybrid systemを利用して、平滑筋細胞の特異性を規定していると思われる転写因子クローニングを継続中である。
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[Publications] 小室一成、伊藤誠悟、加藤洋一: "心血管系の遺伝子治療"日本医師会雑誌. 122巻・12号. 1835-1840 (1999)
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[Publications] 高谷典秀、加藤洋一: "心肥大とカルシウム"Clinical Calcium. 10巻・3号. 160-167 (2000)
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[Publications] 加藤 洋一 他: "平滑筋ミオシン重鎖遺伝子プロモーターを用いた平滑筋細胞特異的な転写因子クローニングの試み-同遺伝子1st Intronの役割-"分子循環器研究会講演会講演記録集. 第7号. 26-29 (1999)