1999 Fiscal Year Annual Research Report
オンコスタチンMによる血管リモデリングの機序解明とCIS導入による遺伝子治療
Project/Area Number |
10770332
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
永田 剛 久留米大学, 医学部, 助手 (70289429)
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Keywords | oncostatin M / 血管平滑筋細胞 / 細胞肥大 |
Research Abstract |
1)gp-130のアゴニストであるサイトカインmouse OSM(mOsM)投与による培養VSMCの細胞内情報伝達経路および機能的意義の検討 これまで培養血管平滑筋細胞にmOSM投与し、細胞内シグナル伝達系の検討により、Jak-STAT系のみならずERK系をも活性化することを明らかとした。次にc-fosタンパクの発現を認めたため機能的意義の検討を行った。[3H]チミジン・[3H]ロイシン取り込み能を検討した結果、mOsM投与は培養血管平滑筋細胞の増殖は引き起こさずに肥大を引き起こした。 2)JaK-STAT系抑制蛋白質であるCISの遺伝子をラットの培養VSMCに導入し、その効果を検討 現在、培養VSMCへのCIS遺伝子導入したstable cell lineの作製を施行中の段階である。これまでルシフェラーゼを組み込んだLXSNベクターの培養VSMCへの遺伝子導入が確認できた。次にCIScDNA全長を組み込んだLXSNベクターを採取したため、培養VSMCにinfectionを試みたがstable cell lineが得られず、遺伝子導入条件を引き続き検討中である。stable cell lineを得られた段階で、mOSM投与時のJak-STAT系・ERK系活性及び細胞肥大作用の比較検討を継続する予定である。 3)ラットへのCIS遺伝子導入による遺伝子治療 これまでに培養VSMCへの遺伝子導入が確認できたルシフェラーゼを組み込んだLXSNベクターを使い、ラット頚動脈(in vivo)へのLXSNベクターによる遺伝子導入を平行して確立中である。この確立により、CIS遺伝子のin vivo導入が可能となり、血管平滑筋への遺伝子治療の新たな展開が考えられる。
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