1998 Fiscal Year Annual Research Report
慢性活動性EBウイルス感染症におけるEBウイルス関連遺伝子の発現
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10770342
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
金兼 弘和 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (00293324)
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Keywords | EBウイルス / 慢性活動性EBウイルス感染症 / EBNA-1 / LMP-1 / EBNA-2 / 潜伏感染 |
Research Abstract |
慢性活動性EBウイルス感染症におけるEBウイルス感染細胞のトロピズムは通常のB細胞のみならずNK細胞やT細胞(CD4およびCD8)にもある。以前にEBウイルス感染NK細胞株(YT細胞)ならびに慢性活動性EBウイルス感染症に合併したT細胞リンパ腫におけるEBV関連遺伝子の発現をRT-PCRにて検討したところEBNA-1.LMP-1は陽性であったが、EBNA-2は陰性であり、いわゆる2型の潜伏感染様式を取っていた。今回新たに慢性活動性EBウイルス感染症に伴ったγδT細胞リンパ腫やNK細胞白血病の患者末梢血より樹立したEBウイルス感染NK細胞株におけるEBウイルス関連遺伝子の発現について検討したところEBNA-1、LMP-1は陽性であるが、EBNA-2は陰性であった。すなわちEBウイルス感染NK細胞ならびにT細胞におけるEBウイルスの潜伏感染様式は基本的には2型であると考えれられる。よって慢性活動性EBウイルス感染症においてはEBウイルスがNK細胞やT細胞に感染し、2型の潜伏感染様式をとっているために宿主のEBウイルス特異的な抑制性T細胞による免疫学的な認識機構から逃れやすくなっており、その結果として悪性化や遷延化に関わっているものと思われる。
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